外食業の特定技能1号、2026年4月13日から受け入れ一時停止 ― 企業がとるべき対応
2026年7月10日
出入国在留管理庁の発表により、2026年4月13日以降、外食業分野における特定技能1号の新規受け入れが原則として停止されることになりました。すでに人手不足対策として特定技能人材の採用を進めてきた飲食店にとっては、採用計画の見直しが急務となります。本記事では、制度変更の内容と背景、そして企業が取るべき対応策を整理します。
何が変わるのか
2026年4月13日以降、外食業分野では次の手続きが原則として受け付けられなくなります。
- 海外からの新規入国を伴う「在留資格認定証明書」(COE)の交付
- 他の在留資格から特定技能(外食)への変更許可
- 特定活動(特定技能1号移行準備)への移行許可
ただし、以下のケースは引き続き対象外(=これまでどおり手続き可能)とされています。
- すでに特定技能1号として外食業で働いている人材の転職
- 技能実習(医療・福祉施設給食製造作業)を修了した人材の特定技能1号への移行
- 2026年4月13日より前に申請が受理され、かつ同年3月27日までに食品産業特定技能協議会への加入申請を済ませているケース
制度変更の背景
外食業の特定技能1号は、2024年度から2028年度までの5年間で受け入れ上限を約5万人と設定していますが、直近の実績はすでに上限の9割以上に達しているとされています。受け入れペースが想定を上回って進んでいることが、今回の一時停止の主な理由です。政府としては、受け入れ人数の拡大よりも、既存人材の定着や生産性向上を重視する方針への転換を進めているとみられます。
駆け込み申請を検討する場合の注意点
制度変更前の駆け込み申請を検討する企業もありますが、いくつか注意すべき点があります。
- 審査の基準は「申請書類の発送日」ではなく「窓口での受理日」である点
- 2026年4月12日が日曜日にあたるため、窓口申請の受理が遅れるリスクがある点
- 出入国在留管理庁自身が「交付・許可までに相当な遅延が生じる見込み」と案内している点
- 書類に不備があった場合、再提出が締切後になってしまうリスクがある点
駆け込み申請を検討する場合は、余裕を持ったスケジュールで準備を進める必要があります。
企業が取るべき代替策
1. 飲食料品製造業の活用を検討する
セントラルキッチンや食品加工工場での就労は、外食分野の受け入れ停止の対象外です。ただし、外食分野の技能試験合格者がそのまま飲食料品製造業に移行できるわけではなく、改めて飲食料品製造業向けの試験に合格する必要がある点に注意が必要です。
2. 特定技能2号人材の育成を進める
特定技能2号は今回の受け入れ停止の対象外です。既存の1号人材を2号取得に向けて育成し、現場の責任者として長期的に活躍してもらうことで、家族帯同や将来的な永住も見据えた人材戦略を描くことができます。
3. 採用対象を広げる
特定技能以外にも、次のような人材の採用を検討する余地があります。
- 永住者・定住者・日本人の配偶者など、身分に基づく在留資格を持つ人材
- 週28時間以内で働ける留学生アルバイト
- インターンシップや特定活動など、その他の就労可能な在留資格を持つ人材
今後の見通し
受け入れ再開の具体的な時期は、本記事執筆時点では公表されていません。政府内では受け入れ枠の拡大に向けた調整が進められているとみられますが、当面は新規人材の流入が制限された状態が続く可能性があります。
今後は、単に受け入れ再開を待つのではなく、給与・職場環境・日本語学習支援など、働き手から「選ばれる企業」であるための取り組みが、これまで以上に重要になってきます。すでに国内にいる特定技能人材の確保競争が激しくなることも予想されるため、教育・評価制度を整え、人材の定着率を高めることが、今後の外食業における採用戦略のカギとなるでしょう。
なお、特定技能制度は分野ごとに受け入れ上限が設定されており、外食業以外の分野でも将来的に同様の一時停止が生じる可能性があります。自社が該当する分野の受け入れ状況についても、日頃から情報収集しておくことをおすすめします。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の申請・手続きについては、出入国在留管理庁または行政書士など専門家にご確認ください。
出典:アイデムグローバル「【2026年4月】外食の特定技能1号が受入れ停止|何が変わる?採用はどうなる?企業の対応を解説」(2026年4月8日公開)